3年「総合的な探究の時間」:特別講義「ものづくりの安心安全を目指して-命を守る設計と個性-」
2024年6月21日更新
6月21日(金曜日)、3年必修「総合的な探究の時間」の授業において、工学院大学准教授・小川雅先生をお招きし、「ものづくりの安心安全を目指して-命を守る設計と個性-」というタイトルで特別講義をしていただきました。
製品やシステムの安全と安心について、内部の損傷状況を測定する非破壊検査という力学的なアプローチと、人と人や環境とのあいだに安心が成立するという哲学的アプローチを融合させる試みや、ものづくりにおいて多様な価値が求められるがゆえに個性が重要であることをお話しいただきました。生徒は、安全と安心の関係性や、事故を防ぐためにどの段階の原因への対処を重視するか、といった「答えのない問い」を議論しました。質疑応答では、「耐久性やシステム設計で100%の安全はないということを前提に、その技術を利用するためには何が大切でしょうか」といった本質をつく質問もありました。
生徒たちは、現代の科学技術に限界があることを前提に、科学や技術の発展によって安全性を追究していくことと、人文社会科学の知見と対話しつつ安心を追究していくことの両面が重要であることを学びました。この経験を、生徒自身の探究活動に活かしてまいります。