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研究



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公開教育研究会

2022年11月21日更新

第26回公開教育研究会

11月19日(土曜日)、第26回公開教育研究会が開催されました。「新学習指導要領で培うコンピテンシー」をテーマに、「総合的な探究の時間」「数学I」「言語文化」の研究授業・研究協議に加え、ランチョンセミナーおよび講演が行われました。対面式での開催は4年ぶりとなりましたが、64名の教育関係者の方々にご参加いただき、学び多き会となりました。

1.日時:2022年11月19日(土)  9:00-15:35

2.対象: 教員および教育関係者

3.形態:対面による授業公開および研究協議、講演

4.参加費:無料

5.時程:

受付開始 9:00-

開会式  9:20-

研究授業 3年「総合的な探究の時間」9:30-10:40

          1年「数学I」「言語文化」9:50-10:40

研究協議 10:50-11:50

ランチョンセミナー 12:10-12:40

お茶の水女子大学副学長 兼 コンピテンシー育成開発研究所長  坂元 章

「コンピテンシー育成開発研究所の取り組み」

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お茶の水女子大学 コンピテンシー育成開発研究所 特任准教授   下島 泰子

「コンピテンシーを伸ばす実践手法」

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講演 13:00-14:30

東京学芸大学名誉教授 元次世代教育研究推進機構特命教授 岸 学 氏

「新学習指導要領で培うコンピテンシー」

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閉会式 14:30-14:40

6.公開授業の概要

【総合的な探究の時間】「持続可能な社会の探究」を通じたコンピテンシー育成(朝倉彬、飯島裕希、山川志保)

「持続可能な社会の探究」は、科学的根拠に基づく価値判断や意思決定、合意形成の力を高める科目として設定されており、理科・公民科・地理歴史科・国語科の教員がチームを組んで担当している。高校1・2年次の各教科の学びや個人で取り組んできた課題研究の学びを統合することを目指して、グループごとに唯一の正解が存在しない課題を設定し、最適解や納得解を見出していく授業である。今回は、生徒が半年間探究してきた成果の発表を通じて、その学習過程で育ち発揮された協働性、創造性、修正力といった深い学びの基盤となるコンピテンシーの一端をご覧いただきたい。

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【言語文化】資質・能力ベースの言語活動「読み比べ〜伊勢物語「筒井筒」、大和物語「沖つ白波」、『古今和歌集』」(植田敦子)

本校の「言語文化」は2単位の中で小説、韻文、古文、漢文の分野を扱っている。今回は単元末の言語活動として、『伊勢物語』「筒井筒」と『大和物語』 「沖つ白波」の読み比べの活動を設定している。『伊勢物語』「筒井筒」は既習で、『大和物語』「沖つ白波」を読んだ後、グループワークを通して、両作品の違い等を考察予定である。今年度から観点別評価が導入され、未だ試行錯誤の段階であるが、課題や評価をどのように行うか等、ご参加の先生方とも考えていければ幸いである。

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 【数学I】「仮説検定のロジック〜仮説検定の本当の考え方とは〜」(三橋一行)

新課程の数学Iにおいて「仮説検定の考え方」が導入された。しかし、教科書に掲載されているのは、残念ながら仮説検定方法の簡易説明であるように感じる。では、数学Bで仮説検定を学ぶ前の数Iで、一体何を学習したらよいのか?「考え方」というからには仮説検定のロジックを学ばせたい。しかも、既習事項を利用しつつ数学的に。そのための授業を試みる。なお、途中でベイズ統計を通過する。ベイズ統計の方が生徒にとっては数学的に感じられるだろう。仮説検定のロジックを学ぶと、その方法の危うさが浮き彫りになる。しかし、統計教育はそこを避けてはいけない。統計手法は必ず危険を伴うものだからである。

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第25回公開教育研究会

11月20日(土曜日)、第25回公開教育研究会が行われました。今年度は「主体性を育む授業づくり」というテーマを設定し、コロナ禍によるオンライン開催となりましたが、多くの教育関係者の方々にご参加いただき、活発な意見交換が行われた実り多き会となりました。

日時

 2021年11月20日(土)9時20分から16時 オンライン(※実施済み)

対象

 教員および教育関係者

参加費

 無料

時程 

時程

参加者

 380人(本校教員24名を含む)

講演

 「女性リーダーは何を変えるか?」
  東京大学名誉教授 上野千鶴子氏

講師プロフィール

富山県生まれ。京都大学大学院社会学博士課程修了。社会学博士。平安女学院短期大学助教授、シカゴ大学人類学部客員研究員、京都精華大学助教授、国際日本文化研究センター客員助教授、ボン大学客員教授、コロンビア大学客員教授、メキシコ大学院大学客員教授等を経る。1993年東京大学文学部助教授(社会学)、1995年から2011年3月まで、東京大学大学院人文社会系研究科教授。2012年度から2016年度まで、立命館大学特別招聘教授。2011年4月から認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長。第20−22期学術会議会員。第25期日本学術会議連携会員。
 専門は女性学、ジェンダー研究。この分野のパイオニアであり、高齢者の介護とケアも研究テーマとしている。1994年『近代家族の成立と終焉』(岩波書店)でサントリー学芸賞受賞。2011年度、「朝日賞」受賞。受賞理由「女性学・フェミニズムとケア問題の研究と実践」2019年、フィンランド共和国からHän Honours受賞(長年の男女平等への貢献に対する感謝状)2020年、「アメリカ芸術科学アカデミー会員」に選出される。
 

講演は、9月にお茶の水女子大学講堂において全校生徒に向けて行われたものを、生徒との質疑応答を含む約90分の動画として配信しました。視聴いただいた方からは、生徒と上野先生のやりとりに感銘を受けたという意見が多く寄せられました。

徽音堂
 

研究授業の概要

「SSH学校設定科目 生活の科学(家庭科)・課題研究基礎」「国語総合」「英語コミュニケーションII」「音楽I」の教科ごとに、事前録画の研究授業をオンラインで配信しました。事前録画のため、数時間にわたる授業のポイントを絞って編集した動画をご覧いただけるという利点がありました。その後の研究協議では、オンラインでご参加の教育関係者の方々より質問やご意見をいただき、活発な協議が行われました。

1年必修SSH学校設定科目 家庭科「生活の科学」

スーパーサイエンスハイスクール家庭科におけるSTEAM教育
「でんぷんの糊化から見つめるミクロな世界」

(葭内ありさ)

「生活の科学」は、生活に関した身近な事柄を題材に、科学的な興味・関心を育むことを目的とし、年間を通じて様々な題材で授業を行っており、家庭科教員が担当している。お茶の水女子大学や企業等との外部連携を取り入れ、STEAM教育であると同時に、家庭科新学習指導要領の「持続可能な消費・環境」とも関連する、サステナブルな視点も大切にした科目である。今回は、でんぷんの糊化を題材に、化学科教員とも連携しながら、食からミクロな科学的視点を育むことを意図した授業の一部をご覧いただくとともに、全体の概要を紹介する。

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1年必修SSH学校設定科目「課題研究基礎」

テーマをおいた科目横断的授業『グラフ』(数学・情報・生物)

(朝倉彬、阿部真由美、山口健二、山本夏菜子、松林篤志)

「課題研究基礎」は、教科・科目の垣根をなくし探究的な学習に必要な科学的知識・技能を融合的・体験的に身につけることを目的とし、数学科・理科(物理・化学・生物)・情報科教員5名が担当している。有効数字や誤差、指数対数等の数値処理・統計の知識の学びと、データの取り扱い、プレゼンテーション、実験手技の知識や技能も同一科目で取り扱うことで、シームレスな学びに繋げる取り組みを実践している。評価は、ペーパーテスト、プレゼンテーション、ポスターやレポートの成果物で行い、知識・技能に基づく科学的思考の養成も目指している。さらに「未来の科学を創る」「データサイエンス」「科学技術がもたらした社会への影響」「プレゼンテーションデザイン」などのテーマで大学や研究機関から特別講師を招いて授業を実施し、研究や社会と学びの繋がりについても触れる機会を大切にしている。当日は、「データ」や「グラフ」について複数の教員が異なる視点で授業を行う様子の一部をご覧いただくとともに、科目全体の概要を紹介する。 

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1年国語総合

「古文入門期における教材のまとめとしてのグループワーク」
随筆2『枕草子』「五月ばかりなどに山里に歩く」

(畠山俊)

第一単元の説話に続き、『枕草子』の2教材を入門期の最後に位置づけ、入門期の総まとめとした。まず、古語・文法の説明を交えて読解を行う。その後、「〇月ばかりなどに✕✕に歩く」という定型に各自が考えるものを自由に当てはめて作文させる。基本は古文による作文とした。既習の単語を用いたり、短いフレーズを多少形を変えて用いたりすることで、既習の教材内の古語・文法の知識のさらなる定着を目指した。作成した古文作文は何人かで吟味し、選んだうえで、クラス内に披露し、ベストの作品をクラスで選考する。

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2年コミュニケーション英語II

「教科書の内容理解を主体的な学びにつなげるプレゼンテーション―Ochako Reuse Project-」

(遊馬智美)

今年6月に行った教科書の内容理解と主体的な学びを促すためのプレゼンテーションを取り入れた授業(全11時間)を紹介する。本文を読み進める中で生徒が実際に自分で考えたり、調べたりして探究的に学びや思考を深めながら英語を使うことができるように展開を工夫した。廃線を公園に再利用したニューヨークのハイライン(The High Line)について教科書で読んだことを活用し、生徒が発展的に再利用(reuse)について調べたこととお茶高の校舎を自分だったらどのように再利用するかを考えたオリジナルのアイディアを4人グループでパワーポイントを使って英語で発表する。

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1年音楽I

「未来を拓く〈音楽力〉の育成~1年半の実践から~」

(原大介)

日常が日常でなくなったこの一年半の間、実技教科ではさまざまな制約が求められた。本校の芸術科(音楽)においても、歌唱や楽器演奏がためらわれるこのような状況下において、これまで「歌唱」領域を中心におこなってきた授業内容を「器楽」「創作」領域を中心に再構築せざるを得なかった。音楽の授業がこれまでいかに「歌唱」領域に依存してきたかということを認識する一方で、多岐にわたる教育内容への新しい視点も再確認できたように思う。音楽の基礎が「歌唱」にあるという前提を変えることなく、教科の存在価値をいかに見出していくのかということをテーマに、生徒の表現力育成についての可能性について考えていければ幸いである。

1年音楽I-1 1年音楽I-2
 

ランチョンセミナー「筑波大附属高校との学校間連携キャリア教育の展開」

(お茶の水女子大学特任准教授 山岸由紀)

お茶の水女子大学山岸由紀特任准教授と本校進路部長朝倉彬教諭が、筑波大学附属高等学校と連携して取り組んでいるキャリア教育について紹介しました。

ランチョンセミナー
 

これまでの公開教育研究会

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