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学校案内



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学校長挨拶

2025年4月1日更新

shimada

お茶の水女子大学 附属中学校
校長 嶌田 智

  本校における教育とその目指すところ

 お茶の水女子大学附属中学校は,1882年(明治15年)に創設された東京女子高等師範学校附属高等女学校を前身とし,1947年(昭和22年)の学制改革で分離独立して,男女共学の中学校として発足しました。前身も含めると,本校は143年もの歴史と伝統を紡いできました。

 本校では,開校以来,「自主自律の精神をもち、広い視野に立って行動する生徒を育成する」という教育目標を掲げています。この大きな目標を達成するために,生徒は積極的に日々の授業や部活動,生徒祭や体育大会など毎月のようにある盛り沢山のイベントに取り組み,「科学的・論理的思考力」,「グローバルな視座」および「あたたかく深い人間力」の育成を目指します。

 本校の特色の1つに,主体的学びを実践する教育活動である「自主研究」があります。「自主研究」は1978年(昭和53年)から続く探求活動で,1年生から3年生の全生徒が自分の興味のある課題や対象を選び,多くの方々のサポートを受けながら長い時間をかけて調査や検証を行います。様々な業界や分野で活躍されている方による課題発掘セミナー,自主研究ラウンドテーブルおよびポスター発表会などを通して,生徒1人1人が主導的に学び,考え,調べ,悩み,助けを借りて再び学び,考え,決断し,プレゼンし,振り返ります。生徒達は,探求自体を楽しみ,協働することや準備の大切さを実感するだけでなく,生徒自身が自分を見つめ直すことで,将来のやりがいや進路を見つけるきっかけにもなっているようです。

 また,本校は中等普通教育を基盤とし,本校教員とお茶の水女子大学教員とが積極的に連携しながら中学校教育の理論及び実際に関する実践的研究も進めています。その一貫として,文部科学省から特定テーマの研究開発を行う学校として頻繁に指定され,未来の中学校教育のあり方を研究しています。例えば,2014-2018年では,新教科「コミュニケーション・デザイン科」を開発しました。この科目は「協働的な課題解決を支える思考・判断・表現の力を育てる授業づくり」を主題とした研究から創出され,協働的な課題解決の力を育成することを目標および内容とした教科です。この教科に取り組むことで,生徒は問題解決のための様々な考え方や多様なコミュニケーションの方法を学び,それらを活用しながら具体的な課題の解決に取り組むことを経験しました。さらに本年度からは,「学習語彙の活用を通じた授業改善」が採択されています(2025-2029年)。本研究開発では,新教科「知の架け橋」を設置し,日本語の学習言語指導を見直し,教科を超えた学習語彙を整理し,その実践的な活用を支援します。これにより,生徒が多様な文脈で学習語彙を自在に使いこなし,実社会で応用できる力を育むことを目指します。今後も,このような先進的な教育研究開発を進めることで,日本の教育の向上に取り組んでいきます。

 さらに,本校では1979年(昭和54年)から帰国生徒教育学級を設けており,帰国生の「個に応じた特性伸長」だけでなく,一般生との「多文化共生」に関する教育にも力を入れています。1年生時は,帰国生だけの特設学級で過ごしながら,学校・学年行事,生徒会活動,部活動など学校生活全般は一般生と一緒に行います。2年生以降は混合学級になり,異なる背景をもつ生徒が同じ教室に集い,それぞれの考えや価値観を日々交換・共有することで,未来社会を生きる生徒の人間力を育みます。

 以上のように,本学は,お茶の水女子大学キャンパス内の緑豊かな落ち着いた環境の中で,中等普通教育,各種イベント,教育研究および異文化交流を通じて,生徒1人1人が,伸び伸びと,すくすくと,各自の目標に向かってそれぞれに確かな成長を実感できる場所と時間を提供します。そして,生徒1人1人の希望のキャリアを掴むべく,困難な課題と向き合い,臆せず解決策を見出す努力をし,考えることを諦めず,積極的に未来を拓いていけるよう,教職員一同,生徒に寄り添い,共に歩み,サポートしていきます。


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