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学校案内



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学校長挨拶

2022年4月8日更新

aikawa

お茶の水女子大学 附属中学校
校長 相川 京子

  本校における教育とその目指すところ

 お茶の水女子大学附属中学校は東京女子高等師範学校附属高等女学校から1947年(昭和22年)に学制改革により分離独立し、男女共学の中学校として発足しました。以来、70年を超える歴史と伝統があります。本校では、「自主自律の精神をもち、広い視野に立って行動する」を指針としています。生徒みなさんが、毎日の授業で各教科をバランスよく修得することを意識し、生徒祭や体育大会などの学校行事に積極的に取り組む中で、身につけていってほしいと思っています。また、主体的学びを実践する教育活動として、「自主研究」を設置しています。生徒が興味のある課題や対象を選び、教員のサポートを受けながら長い時間をかけて調査や検証を行うもので、この活動を通じて、生徒が自身の個性や適性に気づき、将来の目標や針路を見出す機会を得ることも期待します。

 本校は、中等普通教育を行うほか、中学校教育の理論及び実際に関する実践的研究と学生の教育実習を行う学校です。そのために、本校教員とお茶の水女子大学教員とが積極的に連携しながら日々、研究を進めています。その一貫として文部科学省の研究開発学校の指定も頻繁に受け、未来の中学校教育のあり方を研究しています。例えば、2014年(平成26年)から2018年(平成30年)まで新教科「コミュニケーション・デザイン科」を開発しました。この科目は「協働的な課題解決を支える思考・判断・表現の力を育てる授業づくり」を主題とした研究から創出され、協働的な課題解決の力を育成することを目標および内容とした教科です。この教科に取り組むことで、生徒は問題解決のための様々な考え方や多様なコミュニケーションの方法を学び、それらを活用しながら、具体的な課題の解決に取り組むことを経験しました。今後もこのような先進的な教育開発を進めることで、日本の教育の向上に取り組んでいきたいと考えています。

 本校では1979年(昭和54年)より、帰国生徒教育学級を設け、日本とは異なる社会や教育の経験を有する生徒の受入れを行っています。異なる背景をもつ生徒が同じ教室に集い、それぞれの考えや価値観を日々交換し、共有することができる環境は、世界協力の重要性が強く認識されつつある昨今、そして今後一層グローバルに変動し、影響し合う未来社会を生きる生徒に真の人間力を育むものと考えます。

 本校で掲げる具体的な教育の柱の一つに、科学的・論理的思考力の育成があります。「科学する」とは、自然の現象について「なぜ」と問いをたて、理由やしくみを考え、証明することです。複数の仮説をたて、見えないところでおこっていることを多面的に想像し、わかっている事実と照らし合わせ、検証しながら考えを進めていきます。このような思考の道筋を社会的な課題の解決に活用することは、個人の感情や経験に影響されにくい、合理的な結論を導くことにつながるでしょう。科学的・論理的思考力を養うことは、将来、困難な課題と向き合うことがあっても、臆せず解決策を見出す努力をし、積極的に未来を拓いていくための智恵を育むものであると考えます。

 以上、本校における教育の一端をご紹介しました。本校の校舎はお茶の水女子大学のキャンパス内の一角にありますが、大学構内をコースとしたマラソン大会や大学研究室訪問などもあり、キャンパス全体が本校生徒の学びと活動の場であるといえます。この特色あるコミュニティで、生徒ひとりひとりがのびやかに過ごし、それぞれに確かな成長を育む3年間を過ごせるような環境づくりを私たちは日々考えています。


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